幻辞.com

文詩

ぶんし
名詞
1
標準
文例 · 用例
最近文學史上に於ける一つの不思議は、我我の中の或る者によつて、散文で書いた詩――それは「自由詩」「無韻詩」又は「散文詩」の名で呼ばれる――が發表されたことである。
萩原朔太郎 青猫 青空文庫
文詩又は無韻詩の名は、言語それ自身の中に矛盾を含んで居る。
萩原朔太郎 青猫 青空文庫
この同じ理由によつて、自由詩の別名たる「散文詩」「無韻詩」の名稱は廢棄さるべきである。
萩原朔太郎 青猫 青空文庫
(今日の詩壇で言ふ「散文詩」の別稱は、高調敍情詩に對する低調敍情詩を指すこともある。
萩原朔太郎 青猫 青空文庫
文詩    四篇「月に吠える」前派の作品吠える犬月夜の晩に、犬が墓地をうろついてゐる。
萩原朔太郎 蝶を夢む 青空文庫
西洋近代に於けるその文學の創見者は、普通にボードレエルだと言はれてゐるが、彼によれば、一定の韻律法則を無視し、自由の散文形式で書きながら、しかも全體に音樂的節奏が高く、且つ藝術美の香氣が高い文章を、散文詩と言ふことになるのである。
萩原朔太郎 宿命 青空文庫
そこでこの觀念からすると、今日我が國で普通に自由詩と呼んでる文學中での、特に秀れてやや上乘のもの――不出來のものは純粹の散文で、節奏もなければ藝術美もない――は、西洋詩家の所謂散文詩に該當するわけである。
萩原朔太郎 宿命 青空文庫
しかし普通に散文詩と呼んでるものは、さうした文學の形態以外に、どこか文學の内容上でも、普通の詩と異なる點があるやうに思はれる。
萩原朔太郎 宿命 青空文庫