権頭
ごんのかみ
名詞
標準
文例 · 用例
重能彼の幼弱なるを憫み、竊に之を斎藤別当実盛に託し、実盛亦彼を東国にあらしむるの危きを察して、之を附するに中三権頭兼遠を以てしぬ。
— 芥川龍之介 『木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)』 青空文庫
而して中三権頭兼遠は、実に木曾の渓谷に雄視せる豪族の一なりき。
— 芥川龍之介 『木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)』 青空文庫
思うて是に至る、吾人は遂に、彼が乳人にして、しかも彼が先達たる中三権頭兼遠の人物を想見せざる能はず。
— 芥川龍之介 『木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)』 青空文庫
其の大阪府判事、神奈川県知事、租税権頭、及び元老院幹事等の諸官を歴任して、前半期の終結たる明治十一年の隠謀事件に至るまで、伯の胸中に画きしものは唯だ藩閥政府を顛覆せむとするの戯曲のみ。
— 鳥谷部春汀 『明治人物月旦(抄)』 青空文庫
――しかし人間はちゃんと生きていますぞ、ごらんなさい底冷えのする宵の口、矢倉下の辻を三人の屈竟な男が歩いてまいる、頭巾をかぶり刀を差して、だがどこやら寒そうな肩つきで、……肩の高い痩せた男は「中将」と呼ばれる、肥えた猪首のが「権頭」熊のように髭だらけで、しかし声のばかげて優しい男が「杢」という。
— 忍術千一夜 第二話 『三悪人物語』 青空文庫
権頭が板場へ顔を出すと、二十七八になる女が現われた。
— 忍術千一夜 第二話 『三悪人物語』 青空文庫
さっき権頭の話によれば、彼らは出来分限の両親玉だという、一は両替商、一は倉庫業、佐貝へ来て幾ほどもなく、土蔵の三棟も建てる資産家になったという、なるほど二人とも、りゅうとした身妝だし、どこから見ても堂々たる旦那ぶりでござる。
— 忍術千一夜 第二話 『三悪人物語』 青空文庫
その公明にして理路整然たること、かの権頭にでも聞かせたら狂喜したに違いない。
— 忍術千一夜 第二話 『三悪人物語』 青空文庫