注ぎ入れる
そそぎいれる
動詞
標準
文例 · 用例
もし水が足らなかったら水を注ぎ入れる。
— 岡本かの子 『仏教人生読本』 青空文庫
同じ街路樹でも、真先にこの古めかしい都へ青々とした新しい生気を注ぎ入れるものはマロニエであったが、後れて萌え出したプラタアヌも芽から葉へと急いで、一日は一日よりその葉が開き形も大きく色も濃く成って行くうちに、早や町々は若葉の世界であった。
— 島崎藤村 『新生』 青空文庫
岸本はこの屋根の下に多少なりとも清新なものを注ぎ入れるようにと努めた。
— 島崎藤村 『新生』 青空文庫
即ち、泰西近代戯曲のいくつかの現代語訳は、完璧とはいへないけれども、いはゆる西欧近代劇運動の流れを「文学的に」当時のわが劇壇に注ぎ入れる、極めて大きな効果をもたらした。
— 岸田國士 『先駆者小山内薫』 青空文庫
徳利でも空のものには水を注ぎ入れることができるが、水がいっぱいにはいっている徳利にはもはや水がはいらぬごとく、自身にすでに一人分の哲学を貯蔵している者は他人の哲学を読んでみても、ただ面白いとかつまらぬとか感ずるだけで、決してそれによって、自分の思想界を占領せらるるごときことはない。
— 丘浅次郎 『我らの哲学』 青空文庫
「八、水だ、水だ」「おッ」 縛った女を突き飛ばしておいて、お勝手から持って来た水を、虫の息の小僧の口に注ぎ入れるのでした。
— 百物語 『銭形平次捕物控』 青空文庫
河川の水路を変えて、そのすべてを、やがて大堤のうちへ注ぎ入れる傍系工事だった。
— 第七分冊 『新書太閤記』 青空文庫
ある時たわむれに、その腫物の口中へ酒をそそぎ入れると、残らずそれを吸い込んで、腫物の面は、酔ったように赤くなった。
— 酉陽雑爼(唐) 『中国怪奇小説集』 青空文庫