鉱
こう
名詞
標準
文例 · 用例
金鉱を発掘する人は、親や妻子より遠く、山中に分け入るのだ。
— 中原中也 『詩論』 青空文庫
レールに近く養蚕広告のペンキ塗の看板が、鉛のような鉱物性の色をして、硬く平ったく烈しい日の光に向って立っていたが、汽車と擦れ違いさまに、仆れそうになって、辛くも踏み止まった。
— 小島烏水 『谷より峰へ峰より谷へ』 青空文庫
尾根の頂上へ出たときは、大斜線の岩壁が、深谷へ引き落されて、低くなったかとおもうと、また兀々とした石の筋骨が、投げ上げられて、空という空を突き抜いている、そうして深秘な碧色の大空に、粗鉱を幅広に叩き出したような岩石の軌道が、まっしぐらに走っている。
— 小島烏水 『谷より峰へ峰より谷へ』 青空文庫
雪は古くなるほど、結晶形を失って、粒形に変化するもので、粒形になると、純白ではなくなる、また粒形にならないまでも、古い雪に白い輝きがなくなるのは、一部は空気を含むことが少ないからで、一部は鉱物の分子だの、塵芥泥土だのが加わって、黄色、灰色、または鳶色に変ってしまうからだ。
— 小島烏水 『高山の雪』 青空文庫
赤熱しない許りに焼けた、鉄デッキと、直ぐ側で熔鉱炉の蓋でも明けられたような、太陽の直射とに、「又当てられた」んだろうと、仲間の者は思った。
— 葉山嘉樹 『労働者の居ない船』 青空文庫
国に一鉱山あるでなく、大港湾の万国の船舶を惹くものがあるのではありません。
— 信仰と樹木とをもって国を救いし話 『デンマルク国の話』 青空文庫
これらの小片は動植物界のものばかりでなく鉱物界からのものもあった。
— 寺田寅彦 『浅草紙』 青空文庫
都市の煤煙問題、鉱山の煙害問題みんなそうである。
— 寺田寅彦 『喫煙四十年』 青空文庫