立錐の余地
りっすいのよち
表現名詞
標準
the slightest bit of room
文例 · 用例
恒例をやぶって××新聞の講堂にかえられた会場は定刻前から立錐の余地もなく熱心な聴衆がつめかけていた。
— 平林初之輔 『人造人間』 青空文庫
わたしが見物に行ったのは三日目であったが、あの大きい歌舞伎座――その当時は他の劇場に比較して、特に大きい小屋のように見えた歌舞伎座が、いわゆる立錐の余地もない大入であったので、わたしもそれにびっくりした。
— 岡本綺堂 『明治劇談 ランプの下にて』 青空文庫
座敷には近所の子供達が充満して、廊下に溢れ、庭の泉水の傍らには篝火が焚かれて、老若の見物人で立錐の余地もなく、鹿の角の定紋のついた法被を着た四五人の職人が声をからして整理に没頭してゐた。
— 牧野信一 『サクラの花びら』 青空文庫
この暑いのに、文字通り立錐の余地のない満員だった。
— 海野十三 『麻雀殺人事件』 青空文庫
内庭は荷馬車が一杯で、立錐の余地もなく、納屋のわきや、秣槽のなかや、玄関などには、からだをくの字型に曲げたり、ふんぞり返つたりした、いぎたない連中が、まるで蟒のやうな大鼾をかいてゐた。
— VECHERA NA HUTORE BLIZ DIKANIKI 『ディカーニカ近郷夜話 前篇』 青空文庫
興行が眼新しいのと、場所がいいのと、入場料が安いのと三拍子揃っている上に、天気がよくて、おまけに風がないと来ているので、満場|立錐の余地もない大入りで、色々な帽子やハンカチが場内一面に蠢いている有様は宛然あぶらむしの大群のように見える。
— 夢野久作 『暗黒公使』 青空文庫
従って、興業政策の上から云っても、彼の特別出演は上々の首尾であり、毎夜、この五千人劇場には、立錐の余地もなかった。
— 小栗虫太郎 『オフェリヤ殺し』 青空文庫
劇場の前も黒山の大群衆、客席も立錐の余地のないような超満員で、殊に女の髪結さん、髪結さんは可笑しいネ、ほら美容術をする人が一杯来ていました。
— 三浦環 『お蝶夫人』 青空文庫
作例 · 標準
満員電車で、まさに立錐の余地もないとはこのことだと思った。
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会場は超満員で、もはや立錐の余地はどこにも残されていなかった。
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年末の商店街は、買い物客でごった返し、立錐の余地もないほどだった。
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