不均斉
ふきんせい
名詞
標準
asymmetry
文例 · 用例
伊太利のナポリ辺へ行くと、市街の家並が不均斉で、登つたり降りたり、中庭を突つ切つたり、路地から路地へ曲つたりする迷路のやうな市街が多いといふことを聞いてゐるせいか、伊香保の町の裏通りを歩くと、何となく南欧の田舎町といふ感じがする。
— 萩原朔太郎 『石段上りの街』 青空文庫
鼻の隆くしかも翼孔の小さいのと前額の広いのとだけは幾分此者の顔面の違常性を調和して居るが、短く刈つた毛髪の下からすぐ看取することの出来る頭の形は又直にその不均斉を思はせる。
— 平出修 『公判』 青空文庫
十二三の自分は、理性と感情との不均斉から絶えず苦しんでいた。
— 宮本百合子 『追慕』 青空文庫
彼女等の持つ力は、人間総ての女性に与えられるべきものであり、彼女等の苦しむ何等かの不安、不均斉は、又人間すべての女性が同じ涙で泣くものであると云う事を、私はいつも考えの裡に入れて置きとうございます。
— 宮本百合子 『C先生への手紙』 青空文庫
これらの建築にこめられた異常なほど単一すぎる均斉の意志の裏には、この均斉を生みだすための凡そあらゆる不均斉がややともすれば矢庭に崩れて乱れだす危なさとなつて感じられます。
— 坂口安吾 『女占師の前にて』 青空文庫
いはば静かさの内蔵する均斉の意志の重さを苦痛に感じ、その裏にある不均斉の危なさにいくらか冷や冷やするのです。
— 坂口安吾 『女占師の前にて』 青空文庫
その当然の逆として、もともと不均斉を露出した人々には危なさの感じがありません。
— 坂口安吾 『女占師の前にて』 青空文庫
芥川は不均斉を露出する逆方法によつて、先手をとりながら危なさを消す術の方を採用してゐたのでしたが、日本人の生得論理と連絡のないニヒリズムの暴力の前では、映画の中で行ふ種類の木遁の術の手並でも、却々もつて彼等のひねくれた眼力を誤魔化し、安定感を与へてやることはできません。
— 坂口安吾 『女占師の前にて』 青空文庫
作例 · 標準
この建物のデザインは、あえて不均斉を取り入れて個性を際立たせている。
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人間の顔には、誰にでもある程度の不均斉が存在する。
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経済成長の不均斉が、社会格差を拡大させる一因となっている。
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