花茨
はないばら
名詞
標準
文例 · 用例
そして野道の丘に咲いた、花茨の白く可憐な野生の姿が、主観の情愁に対象されてる。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
花|茨故郷の道に似たる哉「愁ひつつ丘に登れば花茨」と類想であって、如何にも蕪村らしい、抒情味に溢れた作品である。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
前出の「愁ひつつ丘に登れば花茨」や、この「小鳥来る」の句などは、日本の俳句の範疇している伝統的詩境、即ち俳人のいわゆる「俳味」とは別の情趣に属し、むしろ西欧詩のリリカルな詩情に類似している。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
蕪村であったか誰だったか、「花茨故郷の路に似たるかな」は、似た方からの見方だ。
— 小島烏水 『火と氷のシャスタ山』 青空文庫
愁ひつつ丘にのぼれば花茨(蕪村) と誰も口誦むのは理由がある。
— ――木人夜穿靴去、石女暁冠帽帰(指月禅師) 『夜の靴』 青空文庫
田川の畔には、花茨が芳しく咲き乱れる。
— 徳冨健次郎 『みみずのたはこと』 青空文庫
寂として残る土階や花茨明治三十九年五月二十一日 俳諧散心。
— 高浜虚子 『五百句』 青空文庫
陽炎や名も知らぬ虫の白き飛ぶ更衣野路の人はつかに白し絶頂の城たのもしき若葉かな鮒鮓や彦根の城に雲かかる愁ひつつ岡に登れば花いばら甲斐ヶ嶺や穂蓼の上を塩車 俳句というものを全く知らず、いわんや枯淡とか、洒脱とか、風流とかいう特殊な俳句心境を全く理解しない人。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫