突如として
とつじょとして
副詞
標準
suddenly
文例 · 用例
「佛蘭西文學の旺盛時代たる路易第十四世の朝に於て、突如として一世の耳目を聳動し來れる一書あり、其の簡淨痛快にして靈犀奇警なる人世批評は、天下驚畏の中心となれり、本書是れ也。
— 太宰治 『ラロシフコー』 青空文庫
あんまり突如として入った別天地に私は草臥れるのも忘れて、ただ、せっせと主人について歩いて行くうちどのくらいたったか、ここが峠だという展望のある平地へ出て、家が二三軒ある。
— 岡本かの子 『東海道五十三次』 青空文庫
顕著に高い音をもって突如として始まって、下向的進行によって次第に低い音に推移するような楽節が、幾つか繰返された場合は多く「いき」である。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
僕等は正に殆んどこの大先輩の名を忘れ、生死のほどさへ知らずに居た所、最近突如として雜誌『近代風景』に詩を寄せられたのを見て、僕は『モネーもまだ繪を描いてる』といふ言葉を思ひ出し、一種の妙な感慨にうたれざるを得なかつた。
— 萩原朔太郎 『蒲原有明氏の近況を聞いて』 青空文庫
さうして恐る可き殺人事件が突如として映つたり、素敵に気の利いた探偵が走つたりする。
— 萩原朔太郎 『月に吠える』 青空文庫
而も突如として電流体の感情が頭から足の爪先まで震はす時、君はぴよんぴよん跳ねる。
— 萩原朔太郎 『月に吠える』 青空文庫
突如として、どどん、じゃん、じゃん。
— 泉鏡花 『陽炎座』 青空文庫
私にもっとも近しい、そして恩人である作家を、突如として失ってしまった、私はもう言うべきことを知らない。
— 織田作之助 『武田麟太郎追悼』 青空文庫