竹倉
たけくら
名詞
標準
文例 · 用例
隣りの竹倉という船宿で訊くと、お信の死骸は検視が済むや否や、すぐに下谷|稲荷町の女房の里方へ運んで、今夜はそこで内々の通夜をするらしく、三河屋の家内はみな下谷へ出て行って、亭主の清吉ひとりが留守番をしているとの事であった。
— 新カチカチ山 『半七捕物帳』 青空文庫
僕はこの小さい馬車に乗って、お竹倉や何かを通りたかった。
— 芥川龍之介 『追憶』 青空文庫
現に僕は夜学の帰りに元町通りを歩きながら、お竹倉の藪の向こうの莫迦囃しを聞いたのを覚えている。
— 芥川龍之介 『追憶』 青空文庫
黒ぐろと湛えた大溝の向うは後に両国の停車場になった、名高い御竹倉の竹藪である。
— 芥川龍之介 『少年』 青空文庫
少くとも保吉は誰に聞いたのか、狸の莫迦囃子の聞えるのは勿論、おいてき堀や片葉の葭も御竹倉にあるものと確信していた。
— 芥川龍之介 『少年』 青空文庫
僕の岩見重太郎を知つたのは本所御竹倉の貸本屋である。
— 芥川龍之介 『僻見』 青空文庫
おまけに又その道の突き当りはお竹倉の大溝だった。
— ――或精神的風景画―― 『大導寺信輔の半生』 青空文庫
彼は本郷や日本橋よりも寧ろ寂しい本所を――回向院を、駒止め橋を、横網を、割り下水を、榛の木馬場を、お竹倉の大溝を愛した。
— ――或精神的風景画―― 『大導寺信輔の半生』 青空文庫