苅入
苅入
名詞
標準
文例 · 用例
父親の医者といふのは、頬骨のとがつた髯の生へた、見得坊で傲慢、其癖でもぢや、勿論田舎には苅入の時よく稲の穂が目に入ると、それから煩らう、脂目、赤目、流行目が多いから、先生眼病の方は少し遣つたが、内科と来てはからつぺた。
— 泉鏡太郎 『高野聖』 青空文庫
苅入れを終つた燕麥畑の畦に添うて、すく/\と丈け高く立ちならんでゐるその木並みは、ニセコアン岳に沈んで行かうとする眞紅な夕陽の光を受けて、ねぼけたやうな緑色で深い空の色から自分自身をかぼそく區切る。
— 有島武郎 『秋』 青空文庫
誰かがこれを捕え得たら主婦これを執えおり、主公これを刎首ね、その肉で苅入れ祝いの馳走をする。
— 羊に関する民俗と伝説 『十二支考』 青空文庫
それかと思うと秋になると大風があったり、大雨が降って大洪水になったりして全く目も当てられない様子で穀物等の収穫はまるで無く、唯|徒らに田を耕し畑に種を蒔いたのみでその甲斐はなく、秋の忙しい苅入れ時には何もする事がなく、全くの、前代未聞の災難が起ったのである。
— 鴨長明 『現代語訳 方丈記』 青空文庫
日曜の朝、人、失鳩答を苅入れたり。
— 上田敏 『牧羊神』 青空文庫
雨が苅入時に降り人手不足で、沢山が畑で黒くくさっています。
— 一九三八年(昭和十三年) 『獄中への手紙』 青空文庫
一軒一軒がわけて作ってる畑をみんなまぜて、一つにしちまってみんなが共通で機械で耕したり、種を蒔いたり、苅入れしたりするようにするんだそうだ。
— 宮本百合子 『ペーチャの話』 青空文庫
人間の手足と、馬と木の鋤を耕地からなくして、トラクターで耕し、蒔き、苅入れようというのだ。
— 宮本百合子 『ソヴェト文壇の現状』 青空文庫