誣
誣
名詞
標準
文例 · 用例
誣告罪の攻撃が、今度は、反対に村中から、親爺に向って降りかかった。
— 黒島傳治 『武装せる市街』 青空文庫
そして、村の人間は、樹泥棒であり、誣告人である彼に、頭から見切りをつけた。
— 黒島傳治 『武装せる市街』 青空文庫
「へえ、そのなんでございますか、旦那、その弁護士というやつは出刃打ちの肩を持って、人殺しの罪を女に誣ろうという姦計なんでございますか」 弁者は渠の没分暁を笑いて、「何も姦計だの、肩を持つの、というわけではない。
— 泉鏡花 『義血侠血』 青空文庫
弟はこれに対してます/\執拗になり、果ては凡ゆる侮誣の言葉を突きつけて兄に向つた。
— 岡本かの子 『過去世』 青空文庫
斯様にして権力の濫用を恣にする政治家は、事の真偽、理の当否を調査することなしに、只一概に大掴に、否むしろ虚を実と誣ひ、直と曲を邪み、何でもかでも思想の向上、流布を妨止するのであるとも思はざるを得なかつた。
— 平出修 『逆徒』 青空文庫
鬼げし風の襖子着て、 児ら高らかに歌すれば、遠き讒誣の傷あとも、 緑青いろにひかるなり。
— 宮沢賢治 『文語詩稿 一百篇』 青空文庫
き様|掬摸じゃろう、」とほとんど狂人に斉しい譫言を言ったけれども、梓はよく人を見て、この年少巡査があえて我を誣いんとする念慮のあるのでもなく、また罪人を悪む情が烈しいのでもなく、単に職務に熱誠であるため、自ら抑うることの出来ない血気に逸るのであることを知った。
— 泉鏡花 『湯島詣』 青空文庫
所謂大道理なるものは、其の行はるゝこと變ぜず、其の存すること誣ひ難きを以て、人之に信頼し、人之に依歸するのである。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫