一つ所
ひとつところ
名詞
標準
one place
文例 · 用例
況んやこの世の中には僕の如く、物質上にも精神上にも、無益な浪費ばかりをして、何一つ所得するところもなく、人生を悔恨に終る人々がすくなくないのだ。
— 萩原朔太郎 『所得人 室生犀星』 青空文庫
ちょうど引っ越し前であったから一つ所に取りまとめてあった現金や貴重品をそっくりそのままきれいにさらって行った。
— 寺田寅彦 『蒸発皿』 青空文庫
お町の肩を、両手でしっかとしめていて、一つ所に固った、我が足がよろめいて、自分がドシンと倒れたかと思う。
— 泉鏡花 『古狢』 青空文庫
寝る時分には、切れものという切れものは、そっくり一つ所へ蔵って、錠をおろして、兄さんがその鍵を握って寝たんだっていうんですもの。
— 泉鏡花 『陽炎座』 青空文庫
最初は市村座に出勤し、次に歌舞伎座や明治座にも出勤したが、とかく一つ所に落付かないで、浅草公園の宮戸座等にもしばしば出勤していたので、自ずと自分の箔を落してなんだか大歌舞伎の俳優ではないように認められるようになった。
— 岡本綺堂 『源之助の一生』 青空文庫
所が此趣味は名前のあらわす如く出来る丈長く一つ所に佇立する趣味であるから一方から云えば容易に進行せぬ趣味である。
— 夏目漱石 『高浜虚子著『鶏頭』序』 青空文庫
物も言わずにぺたりとそのそばに坐り、畳の一つ所をじっと見て、やがて左手で何気なく糸屑を拾いあげたその仕草はふと伊助に似たが、きゅうに振り向くと、キンキンした声で、あ、お越しやす。
— 織田作之助 『螢』 青空文庫
「やあ、しばらくだね、蛙君」「木菟さんか、何處へ行つてゐたんです」「あんまり一つ所も飽きたんで、あれから方々、飛び廻つてきたよ」「へえ」「何かおもしろい話でもないかい」「それは俺の方からいふ言葉でさあ。
— 山村暮鳥 『ちるちる・みちる』 青空文庫
作例 · 標準
重要な書類は一つ所にまとめて保管している。
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家族が集まる一つ所の食卓は、いつも賑やかだ。
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みんなで一つ所に集まって、今後の計画を話し合おう。
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