焚き出し
たきだし
名詞
標準
文例 · 用例
香をかぎ得るのは、香を焚き出した瞬間に限るごとく、酒を味わうのは、酒を飲み始めた刹那にあるごとく、恋の衝動にもこういう際どい一点が、時間の上に存在しているとしか思われないのです。
— 夏目漱石 『こころ』 青空文庫
焚き出しをするから、そう云う名をつけたものかも知れない。
— 夏目漱石 『坑夫』 青空文庫
桝田屋でも、伏見屋でも、梅屋でも、焚き出しをして、毎朝百人から百二十人ほどの人数に粥を振る舞ったそうだよ。
— 第一部下 『夜明け前』 青空文庫
毎日いっぺん日本人から焚き出しを貰って来るだけ。
— 横光利一 『上海』 青空文庫
夕闇の中に泉邸の空やすぐ近くの焔があざやかに浮出て来ると、砂原では木片を燃やして夕餉の焚き出しをするものもあつた。
— 原民喜 『夏の花』 青空文庫
夕闇の中に泉邸の空やすぐ近くの焔があざやかに浮出て来ると、砂原では木片を燃やして夕餉の焚き出しをするものもあった。
— 原民喜 『夏の花』 青空文庫
別館では大勢で焚き出しをしてるのよ。
— 小山内薫 『梅龍の話』 青空文庫
彼はそこで新しい酒樽の木の香を嗅いだり、褌一つで、火の入った酒の焚き出しを手伝ったりした。
— 十一谷義三郎 『青草』 青空文庫