東洋的
とうようてき
名詞
標準
文例 · 用例
それで彼らのヴィジョンが破れ、悠々たる無限の時間が、非東洋的な現実意識で、俗悪にも不調和に破れてしまった。
— 萩原朔太郎 『日清戦争異聞(原田重吉の夢)』 青空文庫
叙事詩の精神は「主観に対する反語」であり、否定によっての高翔なのに、俳句はむしろ「没主観への徹入」を精神とし、東洋的虚無感――それが西洋のニヒリズムと、全然反対のものであることに注意せよ。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
おそらく彼等が、翻訳を通じて「古池や」等の俳句から感ずるものは、「花の雲」の句を葬式の詩として感心した外国人と同じく、原句の詩趣とは全くちがつた別のヴィジョンに、彼等自身の主観した東洋的エキゾチシズムの幻像を画いたものであるだらう。
— 萩原朔太郎 『詩の翻訳について』 青空文庫
なぜならば君の今の生活や心境には、僕の正面から敵としてゐる自然主義的の人生觀――東洋的なあきらめや、じめじめしておつけ臭い俳句趣味――やがあるからだ。
— 萩原朔太郎 『室生犀星に與ふ』 青空文庫
彼の性格氣質の中には、多分に東洋的のものが滲み渡つて居る。
— 萩原朔太郎 『室生犀星に就いて』 青空文庫
それは藝術家の生活としても、彼を東洋的の修道院に住まはせてゐる。
— 萩原朔太郎 『室生犀星に就いて』 青空文庫
その小蟹の甲羅には、東洋的な灰色のくすんだ縞がいつぱいに交錯してゐました。
— 太宰治 『陰火』 青空文庫
K氏は、頭を丸刈にしたこっくりした壮年期に入ったばかりの人、吃々として多く語らず、東洋的なロマンチストらしい眼を伏せ勝ちにして居る。
— 岡本かの子 『鶴は病みき』 青空文庫