歩ます
あゆます
動詞
標準
文例 · 用例
日影なおあぶずりの端に躊ゆたうころ、川口の浅瀬を村の若者二人、はだか馬に跨りて静かに歩ます、画めきたるを見ることもあり。
— 国木田独歩 『たき火』 青空文庫
前を見ればジヤルルック君は土耳其帽の上に白手巾を被り、棒縞の白地(筒袖にして裾の二方を五寸ばかり開く)に五寸幅の猩々緋の帯して栗毛を歩ませ、後を顧みれば馬士のイブラヒム君土耳其帽を横ちよにかぶり、真黒く焼けし顔を日に曝し、荷物の上に両足投げ出して、ほくほく歩ます。
— エルサレムよりナザレへ 『馬上三日の記』 青空文庫
右の法にてとどまりたる馬を歩まする法は、「西東北や南のませぬきて中に立ちたる駒ぞはなるる」この歌を三度よむべし。
— 井上円了 『妖怪学』 青空文庫
私は強ひられる――私は強ひられる この目が見る野や雲や林間に昔の私の恋人を歩ますることをそして死んだ父よ 空中の何処で噴き上げられる泉の水は区別された一滴になるのか私と一緒に眺めよ孤高な思索を私に伝へた人!
— 伊東静雄 『わがひとに与ふる哀歌』 青空文庫
草履をそろえて、「お婆様、お出ましなさいませ、お供をいたしまする」 と、先へ出ていうと、「提燈を持ったか」「いえ……」「うつけた女子よの、音羽山の奥まで行くのに灯りなしでこの婆を歩ます気か、旅宿の提燈を借りて来なされ」「気がつきませんでした――今すぐ」 と、お通は自分の身支度は何をする間もない。
— 風の巻 『宮本武蔵』 青空文庫
この巴西方面から※中(重慶の北方)のあたりは、山みな峨々として、谷は深く、嶮峰は天にならび、樹林は千|仭の下にうずもれ、いったいどこに陣し、どこに兵馬を歩ますか?
— 図南の巻 『三国志』 青空文庫