市井の出来事
しせいのできごと
表現名詞
標準
events on the street
文例 · 用例
話の筋も場面も実に尋常普通の市井の出来事で、もっとも瘋癲病院の中で酒精中毒の患者の狂乱する陰惨なはずの場面もありはするがいったいに目先の変わりの少ないある意味では退屈な映画である。
— 寺田寅彦 『映画雑感(3)』 青空文庫
それは近松の出身によるか、或は又市井の出来事に好奇心を持たれた為かも知れない。
— 芥川龍之介 『文芸的な、余りに文芸的な』 青空文庫
安逸と奉養とに事欠かぬ今日の人は、些細なる市井の出来事にも驚いて、はなはだしく不安を感じやすいのであるけれどもこの感じ方は、現今においてすら国によりて差等あるごとくに、同一国においては時代による差等があるに相違ない。
— 原勝郎 『東山時代における一縉紳の生活』 青空文庫
最初のうちは一回二十カペイカの出張教授をやっていたが、のちには、あちこちの新聞の編集者のところを駆けずり回って、『目撃者』という署名のもとに、市井の出来事についての十行記事を寄稿したりした。
— 上 『カラマゾフの兄弟』 青空文庫
市井の出来事でも、一つは新聞記者という職業上からでもあろうが、人の知らない様な、変てこなことを馬鹿に詳しく調べていて、驚かされることがしばしばあった。
— 江戸川乱歩 『百面相役者』 青空文庫