栃の木
とちのき
名詞
標準
文例 · 用例
前棒の親仁が、「この一山の、見さっせえ、残らず栃の木の大木でゃ。
— 泉鏡花 『栃の実』 青空文庫
帰りは、幹を並べた栃の木の、星を指す偉大なる円柱に似たのを廻り廻つて、山際に添つて、反対の側を鍵屋の前に戻つたのである。
— 泉鏡花 『貴婦人』 青空文庫
それから栃の木も生えて居ます。
— 島崎藤村 『ふるさと』 青空文庫
大きな栃の木が陰をつくって、冷めたそうな水にラムネがつけてあった。
— 田山花袋 『田舎教師』 青空文庫
マロニエに似た街路樹は、東京では警視庁の横から海軍省の前まで並んでいる栃の木がよく似ている。
— 横光利一 『欧洲紀行』 青空文庫
何を作ろうかと考えましたが、その以前から栃の木を使って何かこしらえて見たいという考えを持っていました。
— 栃の木で老猿を彫ったはなし 『幕末維新懐古談』 青空文庫
この栃の木という材は、材質が真白で、木理に銀光りがチラチラあって純色の肌がすこぶる美しいので、かつてこの材を用いて鸚鵡を作り、宮内省の御用品になったことがある。
— 栃の木で老猿を彫ったはなし 『幕末維新懐古談』 青空文庫
それで今度も栃の木の良材を探し、純色で銀色の光りのある斑を利用して年|老った白猿をこしらえて見ようと思いました。
— 栃の木で老猿を彫ったはなし 『幕末維新懐古談』 青空文庫