袵
おくみ
名詞
標準
gusset (esp. in kimono)
文例 · 用例
前下りに結んだ三尺がだらしなく、衣服の袵が披つて、毛深い素脛が遠慮もなく現はれる。
— 石川啄木 『刑余の叔父』 青空文庫
金の章宗の承安五年(西暦一二〇〇)に、女眞人・漢人等の拜儀に就いて議論があつた時、司空の完顏襄が、今諸人袵髮皆從本朝(金)之制。
— 桑原隲藏 『支那人辮髮の歴史』 青空文庫
殊に舞台面の装置、背景、光線の使用|等が巧く出来て居るし、役者の扮装も、初の幕から義士が討入の晩の装束をして居たり、左袵に着て居たりする間違は多いにしても、大体に配色が巧であるから見た眼の感じが快い。
— 與謝野寛、與謝野晶子 『巴里より』 青空文庫
あと袖を縫って袵をぬって衿をつければよろし。
— 一九二六年(大正十五年・昭和元年) 『日記』 青空文庫
袖付や袵の皺が苔でも置いたようなしっとりした青味の谷をつくって、いうにいえないいい味わい……帯はね、蝦夷錦の金銀を抜いて、ブツブツの荒地にしたあとへ、モガルの色糸で、一重蔓小牡丹の紋をいたずらでもしたようにチラホラ散らしたという……お話中……わからないひとねえ、お話中だと言ってるじゃありませんか。
— 久生十蘭 『猪鹿蝶』 青空文庫
正に是連袵幃を成し挙袂幕を成し渾汗雨を成すの壮観なり。
— 永井荷風 『偏奇館漫録』 青空文庫
七宝焼で丸に美の字の徽章を袵元へ付けました。
— 板谷波山 『美術学校時代の岡倉先生』 青空文庫
お咲の下に着ている単衣の襟と、片方の袵が裂かれて、かたいかたい三組の繩によられていたのである。
— 宮本百合子 『日は輝けり』 青空文庫
作例 · 標準
例句