食い付く
くいつく
動詞
標準
文例 · 用例
食い付くように見ていたよ。
— 宮沢賢治 『黄いろのトマト』 青空文庫
狼が隙を見て羊の咽喉笛へ食い付くように。
— 夏目漱石 『こころ』 青空文庫
下人祝してお前は長崎丸山の出島屋万六とて女郎屋の一番名高い轡、その轡へ新しい上赤貝の女郎が思い付いて招かぬに独り食い付くと申す前表と悦ばす所あるはこれに拠って作ったのだ。
— 猴に関する伝説 『十二支考』 青空文庫
――二人の乱闘(短い間)――女、死物狂いで、男の手に食い付く。
— 酒井嘉七 『撮影所殺人事件』 青空文庫
主『沙魚も、餌つきの方では、卑下を取らず、沢庵漬でも南京玉でも、乱暴に食い付く方ですが。
— 石井研堂 『元日の釣』 青空文庫
追っ払ってくれ、手荒くすると喰いつくぜ、お菓子でもやって」 れいの軟弱外交である。
— ―伊馬鵜平君に与える― 『畜犬談』 青空文庫
じれってえ女じゃあねえか、尻なんざあ抱きやしねえや、帯を持って脊負ってやら、さあ来い、と喧嘩づらの深切ずくめ、言ぐさが荒っぽうございますから、おどおどして、何と肩へ喰いつくように顔をかくして、白昼、それでもこの野郎の背中へ負をしましたぜ。
— 泉鏡花 『三枚続』 青空文庫
ぼくは今朝以来、自信が、少しもないので、「いや、上原君のほうが強いですよ」とべそかき笑いをしますと、「ばか、貴様は、女の尻に喰いつくだけが、得意なんだな」と罵り、豪傑笑いしてから、上原なんかと行ってしまいました。
— 田中英光 『オリンポスの果実』 青空文庫