火鑽り
ひきり
名詞
標準
文例 · 用例
そして、火切石にかねをぶつけたので、ぱっと火花がちりました。
— DEN FLYVENDE KOFFERT 『ひこうかばん』 青空文庫
それからある海草の茎で火切臼と火切杵という物をこしらえて、それをすり合わせて火を切り出して、建御雷神に向かってこう言いました。
— 鈴木三重吉 『古事記物語』 青空文庫
迦具土神生れて、母神を焼きしも亦た、此方法にして火切杵と火切臼とによりて、切り出されたる火が、其一方に燃え著くを、云う者なり。
— 高木敏雄 『比較神話学』 青空文庫
大なる打撃は頭上真直に来るので、両手で試合刀を縦に持ち、片方の手を前方に押すと同時に下方の手を後に引込ます結果、刀は電光石火切り降される。
— 日本その日その日 『日本その日その日』 青空文庫
ことに小形の火切鎌などを、燧袋に入れてどこへでも持ってあるくには、是がまた一個の商品となって常に売られることを必要とし、そういう時代はなかなか田舎へは来なかったのである。
— 柳田国男 『木綿以前の事』 青空文庫
幼獣の歌黒い夜草深い野にあつて、一匹の獣が火消壺の中で燧石を打つて、星を作つた。
— 亡き児文也の霊に捧ぐ 『在りし日の歌』 青空文庫
朝は日を受けて柔和な桃色を潮し、昼は冴えた空に反映して、燧石のようにキラキラ晃めき、そのあまりに純白なるために、傍で見ると空線に近い大気を黒くさせて、眼を痛くすることがある。
— 小島烏水 『高山の雪』 青空文庫
農夫などにはまだ燧袋で火を切り出しているのがあった。
— 寺田寅彦 『喫煙四十年』 青空文庫