遊び物
あそびもの
名詞
標準
文例 · 用例
一体それがしは宝物などいうものは大嫌い、鼻汁かんだら鼻が黒もうばかりの古臭い書画や、二本指で捻り潰せるような持遊び物を宝物呼ばわりをして、立派な侍の知行何年振りの価をつけ居る、苦々しい阿房の沙汰じゃ。
— 幸田露伴 『雪たたき』 青空文庫
文芸なんて、柔弱男女のもて遊びもので、国家の存廃には何の関係も無いように見えながら、しかし、これが的確に国の力をあらわしているのですからね。
— 太宰治 『惜別』 青空文庫
ただ、一時の、もて遊びものになさる気だったら、わしだって黙ってはいなかったのだが、そうでもないらしいので、わしは今まで我慢してやっていたのだよ。
— 太宰治 『ろまん燈籠』 青空文庫
平家が亡んで、辛うじて生き残った官女たちが身を寄せるところに困って、みすみす人の遊びものになり、蟹も平氏を名乗って無念の形相をする海辺に、浮かれ浮かれて身を売った。
— 壬生と島原の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
同じ遊びものとなるならばあの方の様にあってほしいものだ。
— 宮本百合子訳 『「平家物語」ぬきほ(言文一致訳)』 青空文庫