下足札
げそくふだ
名詞
標準
number token (received upon depositing one's shoes, e.g. at a public bathhouse)
文例 · 用例
きちんと下駄をぬぎ、文壇進歩党の代弁者である批評家から、下足札を貰って上るような作品しかない。
— 織田作之助 『土足のままの文学』 青空文庫
」 実は外套を預けた時、札を貰わなかったのを、うっかりと下足札。
— 泉鏡花 『薄紅梅』 青空文庫
履物を受け取って下足札を渡し、下足札を受け取って履物を渡す――これだけの芸は間誤つきもせずてきぱきとやれ、小柄ゆえ動作も敏捷に見えたが、しかし、できるだけ大きな声でといいつけられた――。
— 織田作之助 『わが町』 青空文庫
夜、立て込む時間はまるで客の顔が見えず、血走った眼玉で、下足札の番号をにらみつけ、しきりに泡食っていた。
— 織田作之助 『わが町』 青空文庫
君枝が渡す下足札を押しいただいて受けとり、その手は血の色もなく静脈が盛り上って、かさかさと土のようで、子供心に君枝は胸が痛み、ひとびとが言うほど自分が祖父から辛く扱われているとは、思えなんだ。
— 織田作之助 『わが町』 青空文庫
――などという、こんな前書きは、作法には外れているから、小説作法の番人から下足札を貰って、懐疑の履物をぬぎ、つつましやかに小説の伝統の茶室にはいり、描写の座蒲団の上に端坐して、さて、作法通りに行けば――。
— 織田作之助 『土曜夫人』 青空文庫
そんな金にも困る他吉の暮しだろうかと、ひとびとの口は非難めいたが、けれど、他吉は夜おそく身をこごめて日の丸湯の暖簾をくぐる時、自身で草履をしまい、君枝が渡す下足札は押しいただいて受け取って、君枝の顔をまともによう見ず、君枝はひとびとが言うほど自分が祖父から辛く扱われているとは、思えなんだ。
— 織田作之助 『わが町』 青空文庫
がそこに自分の手に触れたのは堅い下足札だけであったのである。
— 菊池寛 『天の配剤』 青空文庫
作例 · 標準
混雑する大浴場の入り口で靴を預けると、木製の下足札を渡され、なくさないよう注意された。
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宴会場から帰ろうとしたが、ポケットに入れていたはずの下足札が見当たらず、顔が青ざめた。
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その居酒屋では、会計の際に下足札を返却すると、店員が奥から自分の靴を持ってきてくれる仕組みだ。
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