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手庇

てびさし
名詞
1
標準
文例 · 用例
」 と、翁が手庇して傾いた。
泉鏡花 貝の穴に河童の居る事 青空文庫
奴島田は、洋傘を畳んで支いて、直ぐ目の下を、前髪に手庇して覗込む。
泉鏡花 南地心中 青空文庫
老婢は空の陽を手庇で防ぎながら、仰いで蔦の門扉に眼をやつてゐた。
岡本かの子 蔦の門 青空文庫
逃げきれるとじゃろうか」 庄兵衛は、手庇をして向うの船足を計ってから、「たいしたことはありますめえが、早駆けにしますか」 そういうと、一番かんぬきの帆係に、総帆あげろと命令をくだした。
久生十蘭 呂宋の壺 青空文庫
源内先生は、堤の高みへ上り手庇をして、広い萱原をあちらこちらと眺めながら、「先刻、聞いたところでは、もうそろそろ蘇州庵というのが見えねばならぬ筈だが、ただ一面、茫々の萱葦原。
長崎ものがたり 平賀源内捕物帳 青空文庫
それとも、死に絶えたか」 艫に突っ立って、手びさしをして、さっきからジッとその船を眺めていた楫取の八右衛門、「やい、櫓杭をまわせ、あの船に寄っちゃなンねえ」「へッ、精霊船か」「もそっと悪りいやい、あの船印を見ろ」 あからひく朝日がのぼりかけ、むこうの船の大帆がパッと紅に染まる。
遠島船 顎十郎捕物帳 青空文庫