衫
衫
名詞
標準
文例 · 用例
襦袢 源氏枕草子等に、かざみといへるもの字に汗衫と書くは即ちいまの襦袢なり。
— 泉鏡花 『当世女装一斑』 青空文庫
骨組太き童一人、身に着けたるものとては、薄き汗衫一枚、鞣革の袴一つなるが、その袴さへ、控鈕脱れて膝のあたりに垂れかゝりたるを、心ともせずや、「キタルラ」の絃、おもしろげに掻き鳴して坐したり。
— IMPROVISATOREN 『即興詩人』 青空文庫
毎週一度|日景を瞻て、の汗衫を被りたるが、その衫の上に縫附けたる檸檬の殼は大いなる鈕に擬へたるなり。
— IMPROVISATOREN 『即興詩人』 青空文庫
二人の小娘は衣を脱して、白き汗衫を鬆やかに身に纏ひ、卓の下に跪きて讚美歌を歌へり。
— IMPROVISATOREN 『即興詩人』 青空文庫
律師は偏衫一つ身にまとって、なんの威儀をも繕わず、常燈明の薄明りを背にして本堂の階の上に立った。
— 森鴎外 『山椒大夫』 青空文庫
禅師はその蛇と魚を鉢盂に入れて、それに褊衫を被せて封をし、それを雷峯寺の前へ持って往って埋め、その上に一つの塔をこしらえさして、白蛇と青魚を世に出られないようにした。
— 田中貢太郎 『雷峯塔物語』 青空文庫
禅師はその蛇と魚を鉢盂に入れて、それに褊衫を被せて封をし、それを雷峰寺の前へ持って往って埋め、その上に一つの塔をこしらえさして、白蛇と青魚を世に出られないようにした。
— 雷峯怪蹟 『蛇性の婬』 青空文庫
東坡の陳述古に答ふと題する詩に小桃破萼未勝春、 羅綺叢中第一人聞道使君歸去後、 舞衫歌扇總成塵といふのがあるが、放翁の説明によつて起承二句の意味がよく分かる。
— その七 ――放翁詩話三十章―― 『放翁鑑賞』 青空文庫