席札
せきふだ
名詞
標準
文例 · 用例
この人物は度胸もない癖に概して血気に逸る方だから、これを見るとカッと逆上して席札を引っ掴んで上席の方へ進んで行き、朝日新聞の隣の席に座を占めようとしたが、元来朝日の隣に夕陽が割込むなどということは有り得べき筈はない。
— 久生十蘭 『魔都』 青空文庫
たちまち駈け寄って来た幹事に猫吊しに吊し上げられ、席札もろとも元の席へ抛げ返された上、小間物屋の席はここだと顎でしゃくられたのである。
— 久生十蘭 『魔都』 青空文庫
席札 長崎屋の寮の筥棟の上。
— 蕃拉布 『顎十郎捕物帳』 青空文庫
……あそこを見ろ」 ひょろ松が、指さされたところを見ると、黒漆塗の札に『春鶯句会』と胡粉で書いてあって、その左に、仁科伊吾を筆頭にして、六人の席札がずらりと掛けつらねられてある。
— 蕃拉布 『顎十郎捕物帳』 青空文庫
ここまでは、かくべつ不思議はないが、六枚の席札のうち、誰のしわざか、佐原屋と佐倉屋と和泉屋の名を筆太にグイと胡粉で抹殺してある。
— 蕃拉布 『顎十郎捕物帳』 青空文庫
……和泉屋の名を抹殺してあったあの席札のことを考えて見ろ。
— 蕃拉布 『顎十郎捕物帳』 青空文庫