哀別
あいべつ
名詞動詞-サ変
標準
sad parting
文例 · 用例
男が朝鮮へ行かなければならなくなりましたのは、男女の哀別離苦の情、目もあてられぬほどのものでありました。
— 岡本かの子 『恋愛といふもの』 青空文庫
しかしとにかく二人ははたで見る目も無惨な哀別離苦のかぎりをつくし、かたく再会を約して別れました。
— 岡本かの子 『恋愛といふもの』 青空文庫
あきらめられそうでいてて、さて思い起こすごとにあきらめ得ない哀別のこころに沈むのはこの類の事です、そして私は「縁が薄い」という言葉の悲哀を、つくづく身に感じます。
— 国木田独歩 『あの時分』 青空文庫
喜怒愛憎の高潮に伴なう涙は理知や道徳などとは関係の薄い情緒的のものであるが、哀別離苦の焦心の涙にはよほど本能的なものがあって、純粋な肉体の苦痛によるものとかなりまで相通ずるものがありそうに思われる。
— 寺田寅彦 『自由画稿』 青空文庫
月を見て、面影に代ゆべくは、誰かまた哀別離苦を言ふものぞ。
— 泉鏡花 『芥川龍之介氏を弔ふ』 青空文庫
かの女は、時代をいつに置くとも判らない意識にするこの場所に暫く立ち停り、むす子のアトリエのあるモンパルナスの空を眺め乍ら、むす子を置いて日本へ去る親子の哀別の情を貫いて、もうあといくばくもない短い月日の流れの、倉皇として過ぎ行くけはいを感じるのであった。
— 岡本かの子 『母子叙情』 青空文庫
顧みて今復東京のために更に哀別の涙をそそぐ。
— 北原白秋 『東京景物詩及其他』 青空文庫
顧みて今復東京のために更に哀別の涙をそゝぐ。
— 東京景物詩改題に就て 『雪と花火余言』 青空文庫
作例 · 標準
例句