鵑
鵑
名詞
標準
文例 · 用例
峠が上り下りして、森らしくなる、杜鵑がしきりに啼く、湯治の客が、運んだ飜ぼれ種子からであろうが、栂の大木の下に、菜の花が、いじけながらも、黄色に二株ばかり咲いていた、時は七月末、二千|米突の峠、針葉樹林の蔭で!
— 小島烏水 『白峰山脈縦断記』 青空文庫
たちまち助七の、杜鵑に似た悲鳴が聞えた。
— 太宰治 『火の鳥』 青空文庫
(明治四十年九月二十六日『東京朝日新聞』) 七 アフリカの杜鵑 アフリカに、杜鵑の一種で俗名を「蜂蜜の案内者」と称する鳥が居る。
— 寺田寅彦 『話の種』 青空文庫
しかるに近頃ある動物学者が調べた処によれば、この鳥は普通の杜鵑のように、他の鳥の巣へ自分の卵を産んで孵化させるのみならず、一層性の悪い事をする。
— 寺田寅彦 『話の種』 青空文庫
それが万一|僥倖に助かって孵化しても、親に似て性の悪い杜鵑の雛鳥に鋭い嘴で啄き出されてしまうという。
— 寺田寅彦 『話の種』 青空文庫
八千八谷を流るゝ、圓山川とともに、八千八聲と稱ふる杜鵑は、ともに此地の名物である。
— 泉鏡花 『城崎を憶ふ』 青空文庫
さるにても、按摩の笛の杜鵑に、拔かしもすべき腰を、娘の色に落ちようとした。
— 泉鏡花 『城崎を憶ふ』 青空文庫
雑木山では絶えず杜鵑が鳴いていた。
— 梶井基次郎 『蒼穹』 青空文庫