蔵人所
くろうどどころ
名詞
標準
文例 · 用例
左馬寮の御馬と蔵人所の鷹をその時に賜わった。
— 桐壺 『源氏物語』 青空文庫
池の魚を載せた台を左近少将が持ち、蔵人所の鷹飼いが北野で狩猟してきた一つがいの鳥を右近少将がささげて、寝殿の東のほうから南の庭へ出て、階段の左右に膝をついて献上の趣を奏上した。
— 藤のうら葉 『源氏物語』 青空文庫
置き物の台、弾き物、吹き物の楽器は蔵人所から給せられたのである。
— 若菜(上) 『源氏物語』 青空文庫
又、官制の上に於ても国司の治績を監督する勘解由使、宮中に於ける機密の文書を司る蔵人所、京都の治安裁判に当る検非違使など、大宝令にない純日本的な職制が設けられたことも、此の時代に於てである。
— 菊池寛 『二千六百年史抄』 青空文庫
やがて国司を経て朝廷に奏し、かの郡司の子孫今にその業を伝えて犬頭という絶好の糸を蔵人所に納めて、天皇の御服に織ると見ゆ。
— 犬に関する伝説 『十二支考』 青空文庫
綾麻呂 巧みなる贈賄行為で人々を手馴ずけ、無実の中傷で蔵人所の官を奪い、あまつさえその復讐をおそれて、臣、石ノ上を東国の果に追いやった我等が仇敵は?
— 加藤道夫 『なよたけ』 青空文庫
彼女が一条天皇の中宮定子の侍女として、この若き中宮の寵愛を一身に集めていたころ、宮内の私事を司どる蔵人所の長官としては、藤原行成(頭弁)、藤原|斉信(頭中将)などがあった。
— 和辻哲郎 『日本精神史研究』 青空文庫
もっとも、兄の方は、それよりずッと前に、来ているが……」「で、今は、どちらに、お住居です」「兄の貞盛は、もうとくに、勧学院を卒業して、御所の蔵人所に、勤めている。
— 吉川英治 『平の将門』 青空文庫