踏み所
ふみど
名詞
標準
文例 · 用例
その室は、毎朝氏の掃除にはなりますが、書籍や、作りかけの仕事などが、雑然混然として居て一寸足の踏み所も無い様です。
— ――親の前で祈祷 『岡本一平論』 青空文庫
)――(叱ツ、他念なく/\、脚の踏み所、力の入れ具合、細かく呼吸して……) 純吉は、それらの言葉でわれと自らを励ませながら、注意深く壁に添うて一歩一歩静かに、靴を挙げては降ろした。
— 牧野信一 『明るく・暗く』 青空文庫
秘義伝授と聴いて胸おどり、足の踏み所を知らぬ雪之丞――強いて、心を静めて、跡につく。
— 三上於菟吉 『雪之丞変化』 青空文庫
平次は足の踏み所もないような、凄まじい混乱の中へ通されました。
— 怪盗系図 『銭形平次捕物控』 青空文庫
裏道小町はさもなかったそうでござりますが、通一筋道は、まるで、諸道具、衣類、調度が押流されました体裁、足の踏所もござりませなんだ。
— 泉鏡花 『わか紫』 青空文庫
足の踏所も覚束無げに酔ひて、帽は落ちなんばかりに打傾き、ハンカチイフに裹みたる折を左に挈げて、山車人形のやうに揺々と立てるは貫一なり。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫