軽み
かるみ
名詞
標準
文例 · 用例
第一「月日は百代の過客にして、ゆきかふ年も又旅人なり」と云ふ第一行を見ても、軽みを帯びた後半は前半の重みを受けとめてゐない。
— 芥川龍之介 『文芸的な、余りに文芸的な』 青空文庫
日本のはもつと軽みがある。
— 芥川龍之介 『支那の画』 青空文庫
其等は技巧を弄してゐるが、そんなものにまで見える事は、恋歌通有の軽みのなくて、重くるしいことである。
— 万葉集以後の歌風の見わたし 『短歌本質成立の時代』 青空文庫
万葉調は、古今風が短歌の正調ときめられてゐた時代には、ある軽みと、背優美味が感じられたかも知れない。
— 万葉集以後の歌風の見わたし 『短歌本質成立の時代』 青空文庫
「示人」四首の、本格を行くものほどには、堂々たる所はないが、却て軽みにおいて、正直を感ぜしめる。
— 折口信夫 『橘曙覧評伝』 青空文庫
あれでは「軽み」の剋つた熊谷である。
— 折口信夫 『芸の有為転変相』 青空文庫
その時に、右の一枚石が与八の手にかかって、ほとんど篩を廻すような軽みで左右に揺れ出したのには、一同が舌を捲かずにはおられませんでした。
— 弁信の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
中国の美しさから、日本の美しさに移る時、ちょうど、いかめしい、重たい漢字の美しさから、さらさらと流れる「仮名書き」の字の美しさに移ったような、そんな軽みが日本特有の美しさとして現われるように思われる。
— 中井正一 『美学入門』 青空文庫