鴫
しぎ
名詞
標準
文例 · 用例
「鴫立つ澤の秋の夕ぐれ」などといふ歌をよむと、昔の厭世主義者の詩境がよくわかる。
— 萩原朔太郎 『田端に居た頃』 青空文庫
これは書物で読んだことだが、樫鳥や山鳩や山鴫のような鳥類が目にも止まらぬような急速度で錯雑した樹枝の間を縫うて飛んで行くのに、決して一枚の木の葉にも翼を触れるような事はない。
— 寺田寅彦 『烏瓜の花と蛾』 青空文庫
……お菜も、あの、お好きな鴫焼をして上げますから、おとなしくしていらっしゃいまし。
— 泉鏡花 『夜叉ヶ池』 青空文庫
御吹聴の鴫焼で一杯つけな。
— 泉鏡花 『夜叉ヶ池』 青空文庫
」「ああ、銃猟に――鴫かい、鴨かい。
— 泉鏡花 『鷭狩』 青空文庫
」「はあ、鴫も鴨も居ますんですが、おもに鷭をお撃ちになります。
— 泉鏡花 『鷭狩』 青空文庫
ある店では、ショウウィンドーの中に、焼串に鴫を刺して赤蕪や和蘭芹と一しょに皿に並べてあった。
— 岡本かの子 『食魔』 青空文庫
この家の主人の生家は都會であつても關西の或藩から出た祖先からのならはしは、鴫雜煮、或ひは白味噌雜煮であつた。
— 岡本かの子 『雜煮』 青空文庫