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気紛れ

きまぐれ
名詞
1
標準
文例 · 用例
そして私の推察するに、私の所から逃げた当分は、新しき男とその友人の家などに行つた場合、男を変へたことを少々誇りげにし、その理由として男が自分に教へた理智的な目的を語つたり、もつと気紛れな場合には、私について人に分り易い欠点――そのために彼の女が私を嫌つたのではない欠点を語つたらしいのである。
中原中也 我が生活 青空文庫
この計画的になされたものでこそなかつたが、仄かな表現や、語の気紛れな使用こそ、来るべきサンボリスムを予兆せる所のものである。
中原中也 デボルド―※ルモオル 青空文庫
気紛れに、そこへ根を卸したような五葉松は、仰向けに川の方へ身を反らして、水と頷ずき合って、何か合図をしている。
小島烏水 白峰山脈縦断記 青空文庫
そして気紛れに箸の先で毛虫をとったりしている自分の愚かさに気が付いた。
寺田寅彦 蜂が団子をこしらえる話 青空文庫
湿った庭の土からは、かすかに白い霧が立って、それがわずかな気紛れな風の戦ぎにあおられて小さな渦を巻いたりしていた。
寺田寅彦 浅草紙 青空文庫
気紛れにいつもは出たことのない東京駅東口へ出てそこから車を拾って帰ったが、それだけのちがいで東京がいつもの東京と少し違った東京のように見えた。
寺田寅彦 箱根熱海バス紀行 青空文庫
花というものは植物の枝に偶然に気紛れにくっついている紙片や糸屑のようなものでは決してない。
寺田寅彦 烏瓜の花と蛾 青空文庫
何か述べるとすれば中学校でこの本を教わった時の想い出話か、それを今日読み返してみた上での気紛れの偶感か、それ以上のことは出来るはずがない。
寺田寅彦 徒然草の鑑賞 青空文庫