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竦毛

竦毛
名詞
1
標準
文例 · 用例
今日の人達はそんな馬鹿な事があるものかと一と口に云ってしまうでしょうが、その頃の人間はみんな正直ですから、そんな噂を聞くと竦毛をふるって怖がります。
あま酒売 半七捕物帳 青空文庫
相手が変な婆であったもんだから、それもきっと例のあま酒婆だったということで、家じゅうのものは竦毛をふるっているそうです。
あま酒売 半七捕物帳 青空文庫
それはさうと、わたしは当今、不図した機会から、思ひも寄らぬ三崎の町に、たつたひとりで住むことゝなり、誰の竦毛を憂ふる心配もなく、ほろゝん――の唄をおもひ出し、春の波に溺れようとしてゐるのである。
牧野信一 城ヶ島の春 青空文庫
それはさうと、わたしは當今、不圖した機會から、思ひも寄らぬ三崎の町に、たつたひとりで住むことゝなり、誰の竦毛を憂ふる心配もなく、ほろゝん――の唄をおもひ出し、春の波に溺れようとしてゐるのである。
牧野信一 城ヶ島の春 青空文庫
」 ――私はおかくの鯰に見込まれ、竦毛を震ふて、大股で歩き出した。
牧野信一 月あかり 青空文庫
「ともかく、あの目玉にはお久良が竦毛を震つてゐるといふんだから、ものになる気づかひはないさ。
牧野信一 木枯の吹くころ 青空文庫
私は若い女の生活を間近に見た試しがないので、一体何処の娘も内では斯んな風なのか知ら、千枝子にしろ他人とはなしをしてゐるところや往来で出遇つたりすれば、まことに爽々しい良家の娘であり、斯んな態は想像も及ばぬのであるが――そんなに思つて私は竦毛をふるひました。
牧野信一 早春のひところ 青空文庫
そうした大店の棟つづきで、たてならべた門松などが、師走末の寒月に、霜に冴えかえって黒々と見える時は、深山のように町は静まりかえって、いにしえの、杉の森の寒夜もかくばかりかと思うほど、竦毛の立つひそまりかただった。
続旧聞日本橋・その三 鬼眼鏡と鉄屑ぶとり 青空文庫