朸
おうご
名詞
標準
文例 · 用例
介六と新兵衛とは、白酒荷の朸と見える物に為込んだ刀の両端を引きあうてゐる。
— 折口信夫 『愛護若』 青空文庫
ところがその翌日田舎の者が三人、梯子をかたげてこの下を通り、崖の土の少しうごもてるを見て、土竜鼠がいるといって朸のさきで突いて見ると、ひょっくりとその鬼子が出た。
— 柳田国男 『山の人生』 青空文庫
ただ早く殺すがよいと、朸を揮うて頻に打ち、ついにこれを叩き殺した。
— 柳田国男 『山の人生』 青空文庫
この点に関しては他日更に細叙したいと思うが、棒は朸として肩に担ぐ風が盛んになる以前から、常人の生活には必要の多いものであったが、これを表する古語は最早中央の標準語には残っていない。
— 野草雑記 『野草雑記・野鳥雑記』 青空文庫
十二、桙と朸 棒という文字は支那のほうにもあるけれども、それと我々のボウとは、少しばかり物がちがうようである。
— 柳田国男 『母の手毬歌』 青空文庫
現在もっともひろく知られている名は大よそ三つ、その一つはオコまたはオーコ、これには木扁に力という字をあてているが、朸は日本でつくった新字というものであった。
— 柳田国男 『母の手毬歌』 青空文庫
昔の辞書にはアフコ、と仮名で書き、またアフコと詠んだ古歌もあるが、それはたまたまそれに近い発音をした土地もあったというまでで、元来が朸ともっとも縁のとおい人たちの書いたものだから、それが正しいとまでは信用することができない。
— 柳田国男 『母の手毬歌』 青空文庫
この二つは、共に比較的あたらしい改良であって、以前はなるべく平らな、まっすぐな棒を、少しもけずらずに使うのが朸であった。
— 柳田国男 『母の手毬歌』 青空文庫