綴じ込み
とじこみ
名詞
標準
file (for holding papers)
文例 · 用例
彼女の前のセピア色の平面には、きょう出された処方箋や、薬品の註文の写しや、新薬のビラの綴じ込みや、カード式の診断簿等というものが、色々の文房具や、薬品などと一緒に一パイに取り散らしてあった。
— 夢野久作 『復讐』 青空文庫
「これを読んでみなさい」こう言ってあの人は手紙の綴じ込みを妾の前へ押した。
— ――ある女の日記―― 『オパール色の手紙』 青空文庫
」「お易いこった」 彼は奥へ行って書類の綴じ込みをもってきて、その一番上の一枚を指し示した。
— 平林初之輔 『私はかうして死んだ!』 青空文庫
それにしてもこの新聞には今までどんな劇評が出ているかと、棚の上から手あたり次第に綴じ込みを出してみると、それは前年の七、八月頃の綴じ込みで、新富座の「仙石騒動」の劇評が非常に詳しく書いてあった。
— 岡本綺堂 『明治劇談 ランプの下にて』 青空文庫
私のノートの綴じ込みの中に、ジャン・クリストフの裏面を説明する豊富な記述が、やがては見出されることだろう。
— JEAN-CHRISTOPHE 『ジャン・クリストフ』 青空文庫
明治三十九年の秋、私が露西亜から帰るとやがて、野村君は新聞雑誌に散らばって居る私の書き捨てを集めて出版の許諾を求めたが、私は拒絶して使者の眼の前で其切りぬきの綴じ込みを引裂いてしもうた。
— 徳冨健次郎 『みみずのたはこと』 青空文庫
ウォードが調べ終えた綴じ込みを改めて調査したところ、この探求者は、かの徹底的な記録の抹消から逃れた、カーウィンの埋葬記録に関する断片的な記録を確かに発見したことがわかった。
— H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft 『チャールズ・デクスター・ウォードの事件』 青空文庫
代わりに、ある種の書籍を読みあさり、下町の何年分もの新聞の綴じ込みを調べ、蜘蛛の巣の張った聖具室から持ってきた革装の本の暗号文字に熱狂的に取り組んだ。
— H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft 『闇をさまようもの』 青空文庫