覧地
らんち
名詞
標準
文例 · 用例
あるよく晴れ渡った晩春の午後、智子はその日出来上って来た新調の洋服を三木雄に着せて裏の丘続きからちょっと武蔵野の遊覧地になっている地帯に出た。
— 岡本かの子 『明暗』 青空文庫
これがフランス遊覧地気質だ。
— 岡本かの子 『ドーヴィル物語』 青空文庫
長岡とか修善寺などはもちろん、彼の顔の利く管内の遊覧地へ行けば、常子がいうように、三日や五日では帰れなかったが、銀子も相手が相手なので、搾ることばかりも考えていなかった。
— 徳田秋声 『縮図』 青空文庫
翌年の春、荘公は郊外の遊覧地|籍圃に一亭を設け、墻塀、器具、緞帳の類を凡て虎の模様一式で飾った。
— 中島敦 『盈虚』 青空文庫
途中、浜窪といふ遊覧地を通つた、海と山とが程よく調和して、別荘や料理屋を建てさせてゐる、規模が小さいだけ、ちんまりと纒まつてゐる。
— 種田山頭火 『行乞記』 青空文庫
川上といふところは佐賀市から三里、電車もかゝつてゐる、川を挾んだ遊覧地である、水も清く土も美しい、好きな場所である、春から秋へかけてはいゝだらうと思ふ。
— 種田山頭火 『行乞記』 青空文庫
追記――川上といふところは川を挾んだ部落だが、水が清らかで、土も美しい、山もよい、神社仏閣が多い、中国の三次町に似てゐる、いはゞ遊覧地で、夏の楽園らしい、佐賀市からは、そのために、電車が通うてゐる、もう一度来てゆつくり遊びたいと思うた。
— 種田山頭火 『行乞記』 青空文庫
湯屋でゆつくり、そして酒屋でいつぱい、それから栄山公園の招魂祭へいつた、そこは小郡町唯一の遊覧地である、まづ可もなし不可もなしだらう。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫