駅々
駅々
名詞
標準
文例 · 用例
六十一 汽車が武蔵の平野へ降りてくるにつれて、しっとりした空気や、広々と夷かな田畠や矮林が、水から離れていた魚族の水に返されたような安易を感じさせたが、東京が近くにつれて、汽車の駐まる駅々に、お島は自分の生命を縮められるような苦しさを感じた。
— 徳田秋声 『あらくれ』 青空文庫
良三はまだ残の金を持っていたので、迎えに来た男を随えて東上するのに、駅々で人に傲ること貴公子の如くであった。
— 森鴎外 『渋江抽斎』 青空文庫
一は同行の旗本家人等で、一は駅々の民庶、入京後は洛中の市人である。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
汽車旅行をして駅々の停車場に到着したときに、車窓からその停車場をながめる。
— 岡本綺堂 『綺堂むかし語り』 青空文庫
東海道五十三次をかいた広重が今生きていたらば、こうした駅々の停車場の姿をいちいち写生して、おそらく好個の風景画を作り出すであろう。
— 岡本綺堂 『綺堂むかし語り』 青空文庫
僕も正直にその話をすると、西田さんもひどく心配してくれて、途中の駅々に土地の青年団などが出張していると、それから薬をもらって僕に飲ませてくれたりしました。
— 岡本綺堂 『指輪一つ』 青空文庫
東海道五十三次をかいた広重が今生きていたらば、こうした駅々の停車場の姿を一々写生して、おそらく好個の風景画を作り出すであろう。
— 岡本綺堂 『薬前薬後』 青空文庫
道中の駅々では鞍置馬百五十|疋、小荷駄馬二百余疋、人足三百余人を続ぎ立てた。
— 森鴎外 『佐橋甚五郎』 青空文庫