機を見るに敏
きをみるにびん
表現形容動詞
標準
quick to seize an opportunity
文例 · 用例
」叔母さんも、さすがに機を見るに敏である。
— 太宰治 『正義と微笑』 青空文庫
そして機を見るに敏なる元就は、陶が石州の吉見正頼を攻めに行った機に乗じて、安芸の桜尾、銀山等の城を落してしまった。
— 菊池寛 『厳島合戦』 青空文庫
だがいいとなると、これが「機を見るに敏」となる。
— 富田倫生 『青空のリスタート』 青空文庫
政治論の盛んな時代で、かの末広鉄腸居士の政治小説『雪中梅』などが盛んに行なわれたので、機を見るに敏なる大阪の興行師はすぐにそれを脚色させて、主人公の国野基を右団次、ワキ役の武田猛を鴈治郎に勤めさせて、角座で上演することになると、それが非常の人気を集めて、なかんずく鴈治郎の武田は大好評であった。
— 岡本綺堂 『明治劇談 ランプの下にて』 青空文庫
というのは機を見るに敏だからよ。
— 国枝史郎 『剣侠受難』 青空文庫
一時は松村辰次郎の手に渡り、再び浜野の許に帰った因縁つきの邸であるが、機を見るに敏な浜野といえども、今日の殷賑な光景は恐らく予想し得なかったところであろう。
— 宮島資夫 『四谷、赤坂』 青空文庫
機を見るに敏なるこの親爺の商法にさすがのわれわれも聊か敬服して、その前に立止ったついで、猫塚の所在を尋ねると、爺さんは既に案内者然たる調子で、崖の彼方なる森蔭の小径を教え、なお猫塚といっても今は僅にかけた石の台を残すばかりだという事まで委しく話してくれた。
— 一名 東京散策記 『日和下駄』 青空文庫
機を見るに敏なる吾輩はとうてい駄目と見て取ったから、奇麗さっぱりと椽側へ引き上げた。
— 夏目漱石 『吾輩は猫である』 青空文庫