訳体
やくたい
名詞
標準
文例 · 用例
氏の言葉は際立つて直訳体めいてゐるのが特徴であつた。
— 牧野信一 『ピエル・フオン訪問記』 青空文庫
『新古今集』の歌に対する漢詩の影響というものは、なかなか根ぶかいのだが、恐らくこれは、仏教の方に漢文直訳体の七五調の和讃が生れたり、それが四句切りはなされて今様になったりしたような歌謡方面からの影響かも知れない。
— 風巻景次郎 『中世の文学伝統』 青空文庫
けれども西洋風の文章、翻訳体の文章、これではどうもいかぬ。
— 大隈重信 『明治文明史上に於ける福沢翁』 青空文庫
變性男子ノ如キ醜キ手足ヲ作リテ而モ健康ノ根本ヲ培ハザル直譯體操ハ特ニ嚴禁ヲ要ス。
— 北一輝 『日本改造法案大綱』 青空文庫
極端に幼稚拙劣な字で書いた假名づかひも文法も滅茶々々の文章で綴つた小説で、隨分讀みにくいものであつたが、多分飜譯物で覺え込んだらしい直譯體に近い形容や句切りが、全く類の無い文體を形成して、噛みしめてゐると存外味が出て來るのであつた。
— 先生の忠告 『貝殼追放』 青空文庫
これは熟字の使用に就いて言つたことだが、今一つは文章の構造で外國文と支那文の構造は全く違つたものであるのに、若し外國文直譯體など用ゐたら、それこそ大變で國文は其爲め純粹な形式を失ひ、中國の學術風教も亦將さに隨つて倶に亡ぶべしとある。
— 狩野直喜 『支那近世の國粹主義』 青空文庫