戯談
じょうだん
名詞
標準
文例 · 用例
風が吹いて桶屋が喜ぶという一場の戯談もあながち無意義な事ではない。
— 寺田寅彦 『方則について』 青空文庫
――ヨシユキ、貴男の戯談は私達の国では貴族しか云わなかったのです。
— Love on Drought 『恋の一杯売』 青空文庫
」 夫人はこれを戯のように聞いて、早瀬の言を露も真とは思わぬ様子で、「戯談おっしゃいよ!
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
避暑の客が大方帰ったので居残りの者は我儘放題、女中の手もすいたので或夕、大友は宿の娘のお正を占領して飲んでいたが、初めは戯談のほれたはれた問題が、次第に本物になって、大友は遂にその時から三年前の失恋談をはじめた。
— 国木田独歩 『恋を恋する人』 青空文庫
時に吉さん女房を持つ気はないかね』と、突然におかしな事を言い出されて吉次はあきれ、茶店の主人幸衛門の顔をのぞくようにして見るに戯談とも思われぬところあり。
— 国木田独歩 『置土産』 青空文庫
だが、昔の俳人歌人の行脚といったようなことには、商買的の気味も有りましたろうが、其の中におのずから苦行的修練的の真面目な意味が何分か籠って居て、生やさしい戯談半分遊山半分ばかりでは出来無かった旅行なのでした。
— 幸田露伴 『旅行の今昔』 青空文庫
源氏にも頭中将にも第二の行く先は決まっていたが、戯談を言い合っていることがおもしろくて、別れられずに一つの車に乗って、朧月夜の暗くなった時分に左大臣家に来た。
— 末摘花 『源氏物語』 青空文庫
源氏は髪を梳かせたりする用事をさせるのには、恋愛関係などのない女で、しかも戯談の言えるような女を選んで、この人などがよくその役に当たるのである。
— 末摘花 『源氏物語』 青空文庫