諸門
しょもん
名詞
標準
文例 · 用例
町の諸門をとじる合図の鐘は二時間も前に鳴ったので、コルソに集って売買に忙がしかった村の人々の声高な騒ぎも聞こえず、軒なみの店ももう仕舞って寝しずまったらしい。
— 有島武郎 『クララの出家』 青空文庫
諸友人諸門人と倶に北宋本太平御覧、我国伝ふる所の千金方、医心方等に就いて、その引く所の文を摘出し、自ら古本草経のルコンストリユクシヨンを試た。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
前にいう通り、その賊の人相風俗は大抵判っているので、丞相は官兵に命じてすぐにその捜査に取りかからせ、省城の諸門を閉じて詮議したが、遂にそのゆくえが知れずに終った。
— 輟耕録 『中国怪奇小説集』 青空文庫
ビルマにはマンダレイの諸門の下に人牲を埋めて守護とし、タツン砦下に一勇士の屍を分ち埋めて其砦を難攻不落にし、甚しきは土堤を固めん爲め皇后を池に沈めた。
— 南方熊楠 『人柱の話』 青空文庫
一七八〇年頃タヴォイ市が創立された時、諸門を建るに一柱毎の穴に罪囚一人を入れ上より柱を突込んだ故四方へ鮮血が飛び散つた。
— 南方熊楠 『人柱の話』 青空文庫
更に一転して所謂俗謡なるものを験するに、諸門、諸流、一として此の精神に伴はざるはなし。
— 北村透谷 『劇詩の前途如何』 青空文庫
思わず寿平次は半蔵の声を聞いて、神葬祭の一条が平田|篤胤没後の諸門人から出た改革意見であることを知った。
— 第一部上 『夜明け前』 青空文庫
従来国恩の万分の一にも報いようとの意気込みで北原稲雄らによって計画された先師遺著『古史伝』三十一巻の上木頒布は一層順調に諸門人が合同協力の実をあげる。
— 第一部下 『夜明け前』 青空文庫