毳
けば
名詞
標準
文例 · 用例
『山海経』に、〈天馬|状白犬のごとくにして黒頭、肉翅能く飛ぶ〉とあり、堀田正俊の『※言録』に、朝鮮の天馬形犬のごとく毳白兎のごとしといえるは、馬の属らしくないが翼生えた馬の古図も支那にある。
— 馬に関する民俗と伝説 『十二支考』 青空文庫
舅この敷物は北国より到来せし熊皮にて候といえば、聟|撫で見てさてさて所柄とてよき御皮なり、さて思い出しました、妻も宜しく御言伝申し上げますとあるは、熊皮は毳々たらぬがその色を以て聯想したのだ。
— 猴に関する伝説 『十二支考』 青空文庫
ことに、一番近く平野に落ちてゐる三|毳山の形が面白い。
— 田山花袋 『日光』 青空文庫
記憶にはあともなく消えはてしありし夜のことわざも歸り來て、なよげなる毳をもて撫でらるる新しき望あるわが心。
— 上田敏 『牧羊神』 青空文庫
事實、彼女の髮は痛々しい程減つて、添へ毛して七三に撫でつけて毳を引き※しられた小鳥の肌のやうな隙間が見えた。
— 嘉村礒多 『業苦』 青空文庫
筆の穂を墨つぼにたっぷりひたして、幾らか毳ばだった標木の前に突き膝をした。
— 本庄陸男 『石狩川』 青空文庫
腕や脚には、もう生え際の金色な毳毛が、霞のように、生えていたのです。
— 蘭郁二郎 『足の裏』 青空文庫
黒い漆地に金文字で書かれた毳々しい看板が、屋根だの軒だのに沢山かけられてゐる。
— 中戸川吉二 『イボタの虫』 青空文庫