挿げ替え
すげかえ
名詞
標準
文例 · 用例
通り名は平助、あだ名は下駄平、歯入れ、鼻緒のすげ替えを稼業にいたしおるとこの調べ書にあるが、ほんとうか」「へえ、さようで。
— 闇男 『右門捕物帖』 青空文庫
「若いうちは心配も愉しみのうちなのだから、九太さんの事なんかさばさばして何でもして働いたらいゝじゃないの」 階下の店先きへ腰をかけて呆んやり往来を眺めている伊代に、古下駄の鼻緒をすげ替えながら、お神さんはこう云って伊代を慰めてくれるのであった。
— 林芙美子 『帯広まで』 青空文庫
十五銭、三十銭という下駄の並んだ台が二つ並んでいる店のうす暗い電燈のポツリとついた奥のところで、父親らしい中年寄がすげ替えの鼻緒の金を打っている。
— 宮本百合子 『道づれ』 青空文庫
結い立ての髪を解かせて、自分で結ったか何うか、群衆の前で試される女、――天鵞絨の鼻緒を切取られて、竹の皮ですげ替えさせられた上、親を呼出して手錠をはめられる小娘、――中には贅沢な紙入を発見されて、縄付にて、引立てられる若い男もあります。
— 野村胡堂 『礫心中』 青空文庫
一年たって、政変の為め上の方の首がすげ替えになったドサクサ紛れに、僕は警察部長に抜擢された。
— 佐々木邦 『首切り問答』 青空文庫
平時の刀では短きに過ぎるので、いざという場合、常の刀へ、常用の柄より寸法の長い特殊な柄をすげ替えて、これを引っ提げ持ちにして、戦場へ働きに出るのである。
— 林崎甚助 『剣の四君子』 青空文庫
お菰は、ばばの真面目くさった顔に、ぷッとふきだしかけたが、鼻紙のように懐中へねじこむわけにもゆかず、写経を額に当てて、ちょっと拝む恰好をしながら、「ところで」 と、身を交わすように、急に話のほこをすげ替えた。
— 空の巻 『宮本武蔵』 青空文庫