鳶口
とびぐち異読 トビぐち・トビグチ
名詞多音語
標準
fire hook
文例 · 用例
九合目に来た、もう一杯の雪で、コンクリートで堅めたように凍っているから、鳶口ででもなければ、普通の金剛杖では、立ちそうにもない、胸突八丁、大ダルミなどは、大分息苦しく、殊に足の辷り方が烈しかったが、それでも思いの外に、怯まずに登りついた。
— 小島烏水 『雪中富士登山記』 青空文庫
今でもそうですが、この時代にも人夫が材木を鳶口で河岸へ曳き上げるには掛け声をかけたのでした。
— 岡本かの子 『仏教人生読本』 青空文庫
たちまち五六人血眼になって武者振つくと、仏敵だ、殺せと言って、固めている消防夫どもまで鳶口を振って駈け着けやがった。
— 泉鏡花 『黒百合』 青空文庫
わが深川の兄哥の角乘は、仙人を凌駕すること、竹の柄の鳶口約十尺と、加ふるに、さらし六尺である。
— 泉鏡太郎 『深川淺景』 青空文庫
冬は鳶口や纏、これはやはり火事から縁を引いたものでしょう。
— 岡本綺堂 『我楽多玩具』 青空文庫
二人は驚いて手にしていた鳶口で、それを敲こうとすると、火の玉は吃驚したように向うの方へ往った。
— 田中貢太郎 『遁げて往く人魂』 青空文庫
二人は鳶口を揮りながら追っかけた。
— 田中貢太郎 『遁げて往く人魂』 青空文庫
「お爺さん、これお爺さん、何をそんなに魘されてるのだよ」 すると老人の声で、「ああ怕かった、乃公が街を歩いてると、何をかんちがいしやがったのか、二人の仕事師が、だしぬけに鳶口を持って追っかけて来たのだから、命からがら逃げて来たのだよ」 と云った。
— 田中貢太郎 『遁げて往く人魂』 青空文庫
作例 · 標準
江戸時代の火消したちは、鳶口を巧みに操って建物を壊し、延焼を防いだ。
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骨董品屋の隅で、使い込まれた古い鳶口を見つけて興味を惹かれた。
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材木置き場では、丸太を動かすために今でも鳶口が使われている。
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ウィキペディア
鳶口(とびぐち)は、トビの嘴(くちばし)のような形状の鉄製の穂先を長い柄の先に取り付けた道具。長さ1.5〜2mほどの木製の棒の先に、名前の由来となったトビの嘴のような金属製の金具が取り付けられている。
出典: 鳶口 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0