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庭男

にわおとこ
名詞
1
標準
文例 · 用例
日影うらうらと霞みて朝つゆ花びらに重く、風もがな蝴蝶の睡り覺ましたきほど、靜かなる朝の景色、甚之助子供ごヽろにも浮き立て、何時より早く庭にかけ下りれば、若樣、と隙かさず呼びて、笑顏をまづ見する庭男に、其まヽ縋りて箒木の手を動かせず、吾助お前は畫がかけるかと突然に問ふ可笑しさ。
樋口一葉 曉月夜 青空文庫
「あのお祖母さんも、若い時分にどこのものか知れない庭男と私通いて院長のお父さん……つまりお祖母さんの添合いに髪を切られた騒ぎもあったでね。
徳田秋声 足迹 青空文庫
その庭男が癩病筋だったというこんで院長の脚の病気も何だか知れやしないて風評をする人もあるそうで……。
徳田秋声 足迹 青空文庫
「あら、ほんとに岩さんが来る」山吹は周章てて叫んだが、「来たら返してやるばかりだね」「ははあ、不格好なあの男がそれじゃ岩という男ですな」多四郎は鼻を鳴らしながら、「私の家の庭男にも当たらぬ」 牛丸はさもさも嬉しそうに、「俺ら岩さんを迎いに出てやろう」彼はそとまで走って行った。
国枝史郎 八ヶ嶽の魔神 青空文庫
つばのひろい麦わらの帽子をかぶった庭男が、しきりに花の間をくぐって、如露で水をやっているのが見えた。
海野十三 爆薬の花籠 青空文庫
そういう庭男が、あっちに一人、こっちに一人、二人で水をまいていた。
海野十三 爆薬の花籠 青空文庫
と、その時門をあけて、竹箒と塵取りとを持ちながら、庭男らしい中年の男が、ノッソリと外へ出て来たが、庭男などとは思われない、博徒か遊び人かそんな見当の男の、持っているような隙のない眼で、二人を睨むようにジロリと見たが、散り敷いている枯れ葉を掃き出した。
国枝史郎 血煙天明陣 青空文庫
……此処へ来たのも何かの因縁、入門をして学びたいが……」「アッハハハ」 と庭男は笑った。
国枝史郎 血煙天明陣 青空文庫