御出来
おでき
名詞
標準
文例 · 用例
孔子さまは何を為さっても良く御出来だったという事実がある。
— 幸田露伴 『努力論(現代訳)』 青空文庫
――のっそり木蔭から現れて、すいすいと足早に近よりながら、血色もないもののように青ざめている鳥刺しの手元から、黙って静かにトリモチ竿を奪いとると、「御老体、なかなか御出来でござるな」 ウフフとばかり軽く打ち笑いながら、ふうわり鳥竿を神官の目の前に突き出して、いとも朗かに言いました。
— 日光に現れた退屈男 『旗本退屈男 第八話』 青空文庫
「ああ何か急に御用が御出来なすったんだって」と御母さんは露子に代理の返事をする。
— 夏目漱石 『琴のそら音』 青空文庫
又御女子御出来被成候よし奉賀候。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
艦造作御出来に付、朝四時乗船。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
彼等に忠誠の志もあつたのであらうが、皇室を奉戴するのでなければ、群雄を駕御出来ないことを知つてゐたのである。
— 菊池寛 『二千六百年史抄』 青空文庫
それが、ふとしたことから、――きつかけは、何でもいい、ほんの些細なことも口実になり得るからである、――さうした規律が僅かでも乱れ、軌道から少しでも逸れようものなら、すでに幾度も使つた言葉だが、もう制御出来なくなつて了ふ。
— 武田麟太郎 『大凶の籤』 青空文庫
「隣の叔母さんが、房ちゃんの股眼鏡するのは復た直に赤さんの御出来なさる証拠だッて」 こう下婢が何の気なしに言った。
— 島崎藤村 『家(上巻)』 青空文庫