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金烏

きんう
名詞
1
標準
Sun
文例 · 用例
」「そこが縁起じゃ、禁厭とも言うのじゃよ、金烏玉兎と聞くは――この赫々とした日輪の中には三脚の鴉が棲むと言うげな、日中の道を照す、老人が、暗い心の補助に、烏瓜の灯は天の与えと心得る。
泉鏡花 白金之絵図 青空文庫
靜が板の間の中央に蹲ると後ろの幔幕の際に居た男が金烏帽子をかぶせた。
長塚節 佐渡が島 青空文庫
飄々として高く揚り、日光に照されてさながら金烏のごとき光を發し、更に無限の秋風に吹かれて、次第に旗のごとく帶のごとくその山巓を卷かんとす。
田山花袋 秋の岐蘇路 青空文庫
また皇子はこのとき、「金烏臨西舎、鼓声催短命、泉路無賓主、此夕離家向」という五言臨終一絶を作り、懐風藻に載った。
斎藤茂吉 万葉秀歌 青空文庫
それは、鐘に恨み――の文句の終りに ※|真如の月を眺め明かさん と、いう歌詞がございますが、ここで、白拍子が冠っている金烏帽子を、手にもつ、中啓で跳ね上げるところがございます。
酒井嘉七 京鹿子娘道成寺 青空文庫
――半四郎師匠は、いまも申しましたように、「綱に、綱に……」 と、申されながら、冠っていらっしゃる金烏帽子を、はね上げなさったのでございました。
酒井嘉七 京鹿子娘道成寺 青空文庫
後見をなさっていた、名見崎東三郎さまの陳述にもございました様に、あの ※|真如の月を眺め明かさん のところで、手にした中啓で金烏帽子を跳ね上げた後に、岩井半四郎が、「綱に……綱に……」 と、申されたと、いうでございましょう。
酒井嘉七 京鹿子娘道成寺 青空文庫
例へば、金烏が西の山に入つたとか、玉兎が東の海に出たとか云ふ様に、謎か、判じ物のやうな言葉を使ふて文を綴り、一番解らぬ文を書いた者が一番上等の点を貰ふたやうに覚えて居る。
丘浅次郎 落第と退校 青空文庫