角時計
かくどけい
名詞
標準
文例 · 用例
そして、何氣なく顏を上げて正面の壁を見詰めた時、其處に掛かつてゐる小形の角時計が四時七分を示してゐるのに氣附いた。
— 南部修太郎 『疑惑』 青空文庫
正面の酒賣棚の右手の壁に掛かつた六角時計を見ると、丁度一時五分だつた。
— 南部修太郎 『ハルピンの一夜』 青空文庫
家内ひっそりと、八角時計の時を刻む音ばかり外は物すごき風狂えり。
— 国木田独歩 『置土産』 青空文庫
十 その中に最も人間に近く、頼母しく、且つ奇異に感じられたのは、唐櫃の上に、一個八角時計の、仰向けに乗っていた事であった。
— 泉鏡花 『伊勢之巻』 青空文庫
柿江はそわそわした気分で、低い天井とすれすれにかけてある八角時計を見た。
— 有島武郎 『星座』 青空文庫
誰やらが、竹のひとつに壊れた六角時計を掛けた。
— ――震災手記断片―― 『竹林生活』 青空文庫
もっとも河豚のふくれるのは万遍なく真丸にふくれるのだが、お三とくると、元来の骨格が多角性であって、その骨格通りにふくれ上がるのだから、まるで水気になやんでいる六角時計のようなものだ。
— 夏目漱石 『吾輩は猫である』 青空文庫
正面の柱にかかっている、八角時計がぼうんと一時を打つ。
— 夏目漱石 『野分』 青空文庫