伏せ屋
ふせや
名詞
標準
humble cottage
文例 · 用例
賤が伏せ屋の見すぼらしい母子が只の人でないと眼をつけられ、綾羅錦繍の裡に侍ずかるる貴婦人がお里を怪しまるるそもそもの理由も、亦ここにあるのではありますまいか。
— 夢野久作 『鼻の表現』 青空文庫
すると向こうの谷の底に火の明りが見えるのでそこを目あてにたずねゆくと、ササの伏せ屋のなかに一人の老婆が棲んでいる。
— 佐々木喜善 『東奥異聞』 青空文庫
息をため、心をこめて六人の少年歌手は「ナザレのふせやに」という文句で始る信徒生涯の聖歌を歌い出した。
— 宮本百合子 『顔』 青空文庫
……六十といふ齢になり給ひぬるにより、いはひの哥、物しくれよとの給ひおこせたる……このわたりは火のわざはひのうちつゞきて、おのがふせやも、去年なくなしたりけり。
— 折口信夫 『橘曙覧評伝』 青空文庫
然し村山の横柄な態度のうちに、どこか残忍な、我慾のためには他をかへりみぬ性格をよむと、こいつの場合は是が非でもやる、トキ子さんが泣いてイヤがつても捩ぢふせやりとげる奴で、その不安は以前から胸にあつたが、目のあたり見なければそれで済んでゐられたのである。
— 坂口安吾 『決闘』 青空文庫
箒木の倒れふみ立すゞめかな 配力 この箒木は歌人がしばしば伝統的に用い、其角あたりも句中に取入れて読者を煙に巻いた「その原やふせやに生ふる箒木」の類ではない。
— 柴田宵曲 『古句を観る』 青空文庫
作例 · 標準
村はずれの粗末な伏せ屋に、世捨て人のような身なりをした老人がひっそりと一人で暮らしていた。
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昔話に出てくるような、萱葺き屋根の傾きかけた伏せ屋が、開発の波に取り残されたようにぽつんと建っていた。
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雪に覆われた山奥で道に迷い、ようやく見つけた炭焼きの伏せ屋で一晩の寒さをしのぐことができた。
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