携
携
名詞
標準
文例 · 用例
吾輩の所へもやってきたので相携えてまた根岸庵へ往った。
— 伊藤左千夫 『正岡子規君』 青空文庫
僅に二円金を携えて出京した予は、一日も猶予して居られぬ、直に労働者となった。
— 伊藤左千夫 『家庭小言』 青空文庫
紫※と女郎花とを択びて携え帰る。
— 伊藤左千夫 『草花日記』 青空文庫
しかしながら、一切の肉を独断的に呪った基督教の影響の下に生立った西洋文化にあっては、尋常の交渉以外の性的関係は、早くも唯物主義と手を携えて地獄に落ちたのである。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
二三度、漢文や英語の、受験参考書を携へて出たこともあつたが、重荷となつたばかりであつた。
— 中原中也 『我が生活』 青空文庫
その一年の間に、他人の生活の何千年かを蛹にしてしまう職業に携っている、その人間の一年では絶対にないのであった。
— 葉山嘉樹 『乳色の靄』 青空文庫
そこで「どうせ今の世の中は利己主義が勝つんで、俺が社会改良運動に携つて目玉を剥いて見た処で何にもなりやしないんだ。
— 葉山嘉樹 『工場の窓より』 青空文庫
「おれたちを月給|盗棒みたいに考えることは、まるで違ってるってことをハッキリ思い知らせた方がいいだろうよ」彼は、何だかほんとうに、人間として、労働者として、貴い犠牲的な、偉大な事業に、初めて携わりうるという晴れがましい誇りと、自信とを感じないわけには行かなかった。
— 葉山嘉樹 『海に生くる人々』 青空文庫